VirtualBox(ゲスト)でネットワークブラウズを可能にする方法
単純にホストインターフェイスと、物理アダプタとの間でブリッジをする方法です。パワーユーザの人は読み飛ばしてください。
※(補足)NHCで変換したvdiファイルが動かない時 追加しました。
※(補足)VirtualPC で作成したvhdファイルを使う 追加しました。
図1(上).ネットワークコンピュータにアクセスできない
図2(下).ipconfigでゲストのIPアドレスを確認
VirtualBoxを使っていて困るのは、デフォルトでは、ゲストマシンがホストマシンのネットワークと異なるネットワークになって
「ネットワークコンピュータ」をクリックしても右図のように、エラーになったり、近所のコンピュータで、自分(ゲスト)しか見れない事ですよね。
(検索や、直接IPを打ち込めば繋がりますが・・)
デフォルトだと
- ホスト(LAN側)IPアドレス:192.168.0.x
- ホスト(ゲスト側)IPアドレス:10.0.2.2
- ゲストマシンIPアドレス:10.0.2.15
- インターフェイス変換:NAT
という具合になって、BBR(ブロードバンドルータ)を1つかませたようになります。BBRと異なるのは、フィルタやセキュリティが摘要されていないので、検索やIPアドレス指定で、ホスト側ネットワーク内も見れるという違いです。
DNSやWINSを使っている人は、ゲストマシンにそのIPアドレスを指定すればコンピュータブラウズ(ネットワークのマシンを見る)事が可能だと思いますが、普通の人は持っていないのが当たり前ですよね。
そこで、このページでは、ゲストマシンのネットワークもホスト側と同じ(上の例でいくと、192.168.0.x)にしてやろうとする方法を紹介します。
私は、普段Windows2000ばかり使っているので、気づきませんでしたが、Windows XPやWindows Vistaには、ブリッジ機能というのがあります。(残念ながら2000には無い・・)
ブリッジとはその名のとおり、「橋」で、ここでいうとインターフェイスの橋渡しをします。
つまり、スイッチングハブみたいなものですね。(厳密に言うと若干違いますが)
下記にVistaで設定した手順を示します。(XPでもほとんど同じ)
●ブリッジを作成する
1.ホストIFの追加
図3.ホストインターフェイスの作成
まずはブリッジとするインターフェイスを作成します。(当然、アダプタ1つではブリッジできませんからね)
VirtualBoxの対象となるゲストマシン(インターフェイスを作成するだけならどのゲストマシンでも良い)の、「設定」-「ネットワーク」を選択します。
次に、下のほうにあるホストインターフェイス追加ボタンを押して、「ホストインターフース1」を追加します。(名前は何でもいい)
すると、ホストインターフェイス一覧に先ほどの名前が追加されます。
2.ブリッジの作成
図4.ブリッジの作成
ホストマシンのネットワークの設定画面を表示させると、先ほど作成した「ホストインターフェース1」が追加されているので、それと、
ホストマシンの物理インターフェイス(普通は「ローカル接続」と言う名前、但し色々触っていると「ローカル接続2」とかなっている場合もあり)
の2つを選択します。
2つ選択した状態で、右クリックすると、「ブリッジ接続」が有効になるので、選択して、ブリッジを完成させます。
ホストマシンがDHCPで動いている場合は、この状態でブリッジは完成ですが、ホストマシンを固定IPで使っている場合は、IPアドレスを設定しなければなりません。
3.ホストIPアドレスの設定
図5.ブリッジのプロパティ
ブリッジ接続を行なうと、新たに「ネットワーク ブリッジ」というインターフェイスができるので、それを右クリックして「プロパティ」を選択し、IPアドレスを設定します。
IPアドレスの設定の方法は、通常のアダプタと同じです。
●ゲストマシンを設定する
1.ホストIFを使用
図6.ゲストマシンのインターフェイスの変更
ゲストマシンのIFを「NAT」から「ホストインターフェース」に切り替えます。
ゲストマシンの設定はこれだけです。
●ゲストマシンを起動する
1.IPアドレスを確認
図7.ゲストマシンのIPアドレスを確認
ゲストマシンで、ipconfigを実行して、IPアドレスを確認します。
ゲストマシンはDHCP有効のままなので、ちゃんとホストマシンと同じネットワークアドレス(192.168.0.x)になっていますね。
ゲストマシンをホストと同じく、固定IPにしてもかまいません。
2.ネットワークをブラウズする
図8.ネットワークを開いたところ
では、ネットワークを開くと、・・・
ちゃんとホストのネットワークマシンが出てきますね。
以上で、ホストと同一ネットワーク内でゲストマシンが使えるようになります。
Windows XP(Vista)だと思ったより簡単ですね。
ちなみに同じ方法は、ホストがWindows XP Home Editionでも使えます。
※(補足)NHCで変換したvdiファイルが動かない時
図9.変換したvdiを起動したらBSOD
たまにVirtualPCのvhdファイルをNHCでvdiファイルに変換した仮想マシンを起動させると、図9のようにBSOD(俗に言うブルースクリーン)に
なってしまう場合があります。原因が、「INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」となっている場合、図10のようにIDEコントローラタイプを「PIIX4」->「PIIX3」に変更すると起動する場合があります。
図11.Windows2000が正常に起動します
図10.IDEコントローラをPIIX3に変更
※(補足)VirtualPC で作成したvhdファイルを使う
VirtualBox 2.0からvhdが扱えるようになったらしいので、試してみました。
結果から言うと、半分コンパチ!
以下、VirtualPC=VPC、VirtualBox=VBOXと表記します。
試行内容 |
結果 |
結果詳細 |
VPCで使っていたvhdファイルをVBOXでマウント |
× |
VBOXゲスト上で、新規署名を求められ、署名するとパーティションが無くなっている。 |
VPCで作ったvhdファイルをVBOXでマウントし、パーティショニング、フォーマットを行なう。 |
○ |
正常に使えそうです。 |
VBOXで使っていたvhdファイル(ベーシックディスク)をVPCでマウント。 |
○ |
これも、正常に使えそうです。 |
VBOXで使っていたvhdファイル(ダイナミックディスク)をVPCでマウント。 |
△ |
最初、「形式が異なる」で使えませんが、インポートすると使えるようになる。 |
ゲストOSはどちらもWindows2000SP4
どうも、VirtualBox 2.0側で、パーティショニング、フォーマットを行なったvhdファイルのみ、双方で互換があるようです。
逆に、VirtualPCで使っていた大切なvhdファイルは、VirtualBoxに持っていかない方がいいです。
どうしても試して見たい場合は、バックアップを取って置きましょう。
VirtualBox 2.0.1で修正されるのを望みます。