Last Update : 2007/02/03 |
換気扇タイマー
知り合いの税理士さんに依頼されたのですが、「スイッチを入れると、一定時間後に自動的に止まるようにしたい」と言うことで、
ホームセンターで換気扇用タイマーを探したのですが、埋め込み用しかなくて、かつ高価(2,000円くらい)な上、
手元までコードを引っ張ってこなくてはならず、配線が面倒。
と、言うことで、私も事務所でタバコ吸わせてもらっている負い目もあり、ちょっと作ってみました。
紆余屈折もありましたが、最終的には成功しましたので、一応すべての過程を掲載します。
通常、換気扇(他の電灯とかもそうですが)の基本構成は図1のようになっています。 |
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通常は、タイマーICとか、マイコンで制御するのが正統ですが、今回はあえてディスクリートで組んでみました。
また、出力制御もリレー、SSR、等を使わずに(高いので(^_^;))FETで制御します。
一応考えた基本回路は図2のような回路です。
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AC-IN、AC-OUT間をダイオードブリッジで整流し、その両端(+側、-側)をFETでON/OFFします。 |
とりあえず、図3のような回路を考えて試作しました。 |
最初、30VDCで負荷にランプを接続して試したのですが、OFFになる直前(Q1のゲート電圧が3.6V付近)でQ1がものずごく発熱します。
それに、徐々に暗くなって消えるといった動作です。
おそらく、Q1が非飽和領域に入って動作しているためだと思います。(確かに結構ゲート電圧の変化はゆるいです)
AC100Vで使うとどのくらい発熱するかシミュレーションしてみました。(LTSpice使用)
条件:負荷60W
但し、FETはK2417のSpiceモデルがなかったので、IRFP90N20D(IR)を使用。
図4.発熱量シミュレーション
げ、ピークで30Wも、それも数秒間・・。
これでは放熱器なしだとつらいです。単なるスイッチが発熱しては意味がないし・・。
なんとか、OFF時に俊敏にゲート電圧を下げる方法が無いものか?
・・・(思考中)
そうか、ドレイン電圧が上がるタイミングで、ゲート電圧を一気に0Vまで持っていければ。
ちょっと面倒だけど、ゲートにトランジスタを追加してC2の電荷を一気に放電させれば行けそうな気がします。
ここで、C2の放電用にQ2を追加しました。 |
とりあえず、シミュレーションでチェック。
図6.2回目試作のシミュレーション
おお、即効でOFFになっていますね。発熱もピーク30Wは変わりませんが、その時間が20μsecなので、問題はないでしょう。
では、組み立てて・・・。
?、スイッチを押しても反応しない??
う~ん、何故だろう?
Q1のゲート電圧が0.2Vのままだ。と、言うことはQ2がONになりっ放し?
Q2のベースが0.6Vまで振れている。
あ、そうかQ1のドレイン電圧はACを整流した脈流のままだ。
そういえば、シミュレーションはDC電源を使っていたっけ。
確かにシミュレーションでACを整流した電源をかけてやるとONにならない!
脈流だと、C1を通してAC成分が流れてくるから、Q2はずっとONになりっ放しになってしまうのは当たり前か。
だったらC1の前で脈流を平滑化すればいい。と言うことで、最終的な回路図は図7のようになりました。
R5,C4でリップルフィルタを構成しています。 |
これも、一応シミュレーションで確認。
図8.最終回路のシミュレーション
確認のため、OFF時付近を拡大してみました。
図6よりもドレイン損失が大きくなって(時間的に)いますが、それでも3ms程度なのでOKとしましょう。
早速組み立てて、実験です。
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ケースに収納する関係上、高さ制限があり、コンデンサ類を寝かせないと入らないので、このような配置になりました。 |
図10.スイッチオン直後 |
図11.数分後 |
ちゃんと消灯しました。FETも発熱しない。よかった・・。
スイッチを押す時間で、OFFになる時間を制御すると最初に書いたので、その時間も計測してみました。
SWを押している時間 | ONからOFFになるまでの時間 |
1秒 | 2分30秒 |
5秒 | 4分55秒 |
ケースはタカチ電機工業のSW-95を使用しました。 ちょっと高さが低すぎたかも(H=18)。 内部の配線が大変だった・・。 |
図12.ケースに収納 |
図13.装着 |
現地に装着した写真を載せる予定です。 |
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