LED照明その1

実家のベッドの宮の部分(なんでベッドの頭の部分の収納スペースが付いたのを宮付きというのか判りませんが)の照明が熱で溶解しかかっていたので、この機にLED照明に替えて見ました。

溶けかかった照明のベース部分ですが、完全に設計不良ですね。付いていた電球は100V15Wのナツメ球です。おそらくソケットの位置がベース寄りだったためでしょう。


図1.溶けかかった照明のベース部分(シェードを外したところ)

 

今回製作するのは、AC100Vで、本が読めるくらいの照度を確保することです。とりあえず回路図を図2に示します。


図2.回路図

簡単に説明しますと、C1は電流制限用コンデンサ、R1は突入電流制限用抵抗で、整流器D1は懐かしいですがまだ売っているW02を使用しました。
ご存知の方も多いと思いますが、LEDは電流駆動です。よって本来なら定電流駆動が望ましいのですが、消費電力を考慮してコンデンサ直列型電流制限回路にしました。よってほとんどの電流は、C1で制限されます。

LEDは白色LEDを30個の直列にし、目標電流を10mAにします。(なるべく20mA以下。あまり流すと、輝度が劣化する為)
LEDは大須(名古屋)のアイテクさんで100個入り5,000円で手に入れました。

C2は直流平滑用で、無くても点灯しますが、蛍光灯と同じフリッカーが生じる為に入れています。160Vの耐圧では心許ないのですが、近所のショップでは160Vの上は350Vしか置いていなくて、サイズも大きくなるので、トレードオフしました。
容量は22uFを使用しました。平滑コンデンサのリップル等を考慮した計算式はトラ技とかに載っていますが、私は大まかに1uF/1mAで計算しています。

まず負荷側を計算すると、

LED30個の端子電圧=3.3V×30≒100V
(LEDの電圧降下VFは25mAで3.6Vですが、電流を10mAに押さえているので、3.3Vで計算しています。)
また、LEDにはばらつきがあるので、とりあえず電流制限抵抗R2(680Ω)を入れておきます。

よって整流前のAC電圧は、

Vin=100/√2≒70V

つまり、C1で30Vほどの電圧降下を発生させなければなりません。
10mA*√2で30Vだと、2KΩ程度のインピーダンスが必要ですので、C1を計算すると(60Hzで)、

C1=1/(2*3.1415*60*2000)≒1.3uF

となります。しかし、1.3uFは入手できなかったので、手持ち(電話交換機を分解した時に手に入れた)に1.8uFがあったので、それを使いました。

そうすると、電流値が変わってきますので、改めて電流を計算すると、

Z(c1)=1/(2*3.1415*60*1.8E-6)≒1473.66(Ω)

I=30V/(Z(c1)*√2)≒14mA

となります。とりあえず20mA以下なのでこれで良しとします。

回路の製作が終わり、各端子間電圧を測ったところ、

素子 電圧
C1 33.2V(AC)
R2 9.6V(DC)

でしたので、DC電流は、9.6V/680Ω≒14mAとほぼ設計値どおりになりました。
ただ、誤差調整用に入れた680Ωが誤差吸収してピッタリだったのですが、この抵抗での消費電力が9.6V×14mA≒0.134Wなので、1/2Wを使った方が安全だと思います。(この抵抗は変更できるようにソケット式にしましたが・・)
図3、4が製作した基板です。基板間は秋月電子通商さんで買ったピンヘッダ&ソケットを使用しました。


図3.電源部

図4.LED部

点灯させてみましたが、明るさの比較はよくわからないですね。(図5、6)
LEDは指向性が鋭いので、シェード無しでは正面から見ると眩し過ぎます。


図5.旧 白熱灯

図6.新 LED照明

でも、とりあえず本は読めます。(手ぶれで見難いですが・・写真では暗いようですが本当はもっと明るい)


図7.寝っころがって本を照明したところ

なんとか、第1弾は完成しましたので、また折を見て第2弾に挑戦したいと思います。
(まだLEDが大量に余っているので・・)