PWMファンの製作
AD410PVマザーは、CPUファンもケースファンもPWM制御オンリーなので、通常の3PINファンでは回転数をBIOSやアプリでコントロールすることが出来ません。
また、抵抗をかませて電流制限をかけると廃熱したい時に出来なくなり、またマザーが壊れる(?)可能性があります。
そこで3PINファンをPWM化する回路を製作しました。
図1.CR積分回路
PWM信号を電圧に変換するには、オーソドックスにCRの積分回路を使います。(図1)
CRの時定数は、PWMの周波数の1/20以下がいいと言われていますので、PWM周波数が30KHzとすると、
(30KHz=)5.3us * 20 = 106us(R=10K、C=0.01u)となります。
但し、PWM信号は+5Vロジック(TTLレベル)のON/OFFなので、このままでは12Vファンをまわすことが出来ません。
よって、この出力をレベルシフターによって、12Vへ変換します。
図2.回路図
で、とりあえず図2の回路を設計してみました。CR時定数は、200倍ほど(R=10K、C=0.1u)にしています。
ACT86は、TTLインプットのインバータ(HCT04)を持ってなかったので、XOR(86)で代用しました。
K30A(GR)でレベルシフトします。J-FETを使ったのは、入力インピーダンスが高いのと、バイアス回路が簡単になるからです。
このままでは、レベルが反転していますので、電流増幅も兼ねてA777で増幅させます。A777が2個あるのは、ファンを2個並列で回す為で、ファンが1個の場合はQ2は不要です。
K30Aのドレイン(A777のベースバイアス)にD1が付いているのは、ゲインを下げる目的と、A777へのバイアス(FANへのオフセット電流)を兼ねています。
なお、本回路はファンの回転数もマザー側へスルーさせる為、あえて非反転型としてあります。(A777のコレクタに付いている22uは回転パルスを安定させるため)
図4.基板をケースへ取り付けた
図3.PWM変換基板
基板には2回路(ケース用、CPU用)を組み込みました。出力トランジスタA777は、ケース用2個、CPU用1個です。
表1.レベルと回転数の関係
レベル |
CPU (2000rpm) |
CASE (5000rpm) |
1 | 1303 | 1678 |
2 | 1389 | 2067 |
3 | 1614 | 2922 |
4 | 1822 | 3684 |
5 | 1948 | 4237 |
6 | 1994 | 4708 |
7 | 1994 | 4842 |
8 | 2017 | 4985 |
9 | 2017 | 4985 |
10 | 2017 | 4985 |
図5.ASRock OC TUNERで確認
とりあえず、ASRockのOC Tunerでファンをコントロールしてみました。
表1のようにレベル6以上で飽和するようです。もう少しゲインを下げないといけないかも知れません。